2013年6月17日月曜日

「レンタカウ」制度~山口県式放牧~

「レンタカー」ならぬ「レンタカウ」ってご存じですか?

このブログの管理者はレンタカー協会で、当然ながら車の「レンタカー」がその主役ですが、似て非なるもの・・・「レンタカウ」なるものが山口県にはあります。

それは、放牧のための「カウ」、すなわち「牛」を貸し出す制度なんです。
何ともおもしろい情報でしょう?そして、今年も6月中旬、長門市で「第1号」のレンタカウが始まったと聞き、さっそく県の担当者に事前に取材をお願いし、この目で見てきました。
 さすがに耕作放棄地、山道を約1kmくらい担当者の方に先導してもらった先に、2頭の放牧された「レンタカウ」達が仲良く草を食べていましたが、私たちを見つけて懐かしそうに振り向いてくれました。
でも、放牧されて間がないので、放牧地には食料となる草が限りなく茂っていました。
 なお、今年第1号となった放牧地1.2ヘクタールで暮らす2頭は、「やまみちゃん」&「さくらこちゃん」だそうです。

 レンタカー協会にとって見過ごすことのできなかった「レンタカウ制度」、簡単に説明しましょう。
この制度は、県の組織である「山口県農林総合技術センター畜産技術部」が、永年、放牧の研究に取り組んだ結果開始された制度で、山口県独自のものだそうです。

 つまり、近年、県内では農業従事者の高齢化や後継者不足などのため、耕作放棄された田畑が非常に増えています。
 その結果、耕作放棄地はあっという間に雑草等が生い茂り、荒れ地になってしまいます。
 この草刈りには多くの人件費や農機具代が必要で、結局放置されているのが一般的で、ここに「牛」さんが登場頂くことになったんです。

ご存じのとおり、牛は大量の草を食料として必要とします。しかも、草には多種多様の栄養分があり、草だけで十分な飼料となるようです。

 そうしたところから山口県では、農地保全と飼料管理の省力化のために放牧に積極的に取り組んでいるのですが、こうした「山口型放牧」と言われるやり方は、1985年ころから長門市油谷の棚田で、牛舎に隣接する水田に黒毛和種の繁殖牛を放牧したのが始まったとのことです。

この先例を元に県が放牧の研究を進め、耕作放棄地解消目的の電気牧柵による放牧が県内各地に広まってきて現在に至っているようです。

 当初は、耕作放棄地の地主と畜産農家の仲介が主であったようですが、畜産農家が貸し出すには限界がある為、現在では草が伸びる春から秋、県所有の仲の良い雌牛2頭(黒毛和牛)を一組で、無償で貸し出すことが多いとのことです。
 

 また、貸し出す牛は妊娠して100日以降の雌牛ですが、妊娠している方が食欲が増しておりよく食べてくれるからとのことでした。

 「レンタカウ」は基本的に無償ですが、必要な放牧地の広さ(1ヶ月2頭~30アール)と、水飲み場、日陰施設、周囲を囲む電牧線(柵、電牧器)が必要のようです。

ちなみに、昨年度、県が貸し出した牛は16カ所、34頭で、県全体では288カ所、延べ1220頭ということですから、すごいですね。
 詳しくは、

 山口県農林総合技術センター畜産技術部
       〒759-2221 山口県美祢市伊佐町河原1200
       TEL 0837-52-0258/FAX 0837-52-4832
にお尋ね下さい。  取材に応じて詳しく説明していただいた引田さん(可愛い若い女性)お忙しいところ、現地にまで案内いただき、有り難うございました。

           レンタカーのご用命は、山口県レンタカー協会加盟店へ!
            http://www.yama-rentcar-kyokai.jp/

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